その瞬間の感動

こんにちは、豊山町にあるピアノとリトミックのおうか音楽教室 すずきともこです。

今日は大人の方のレッスンのお話。

今おうか音楽教室には、西尾教室、豊山教室と合わせて5名、
60代から20代の幅広い年齢の方が在籍しています。

私が大人の方のレッスンを始めたのは、さかのぼる事20数年前。
大学を卒業して就職したての頃、同じく働き始めた友人2人が
自分の働いたお金で、ピアノを習いたいと言ってくれたことが
はじまりでした。

二人とも、音楽経験はほぼ学校の音楽の授業のみ。

音符の読み方から、リズム、指や手、体の使い方と
本当に基礎の基本から始めました。

ちょうどそのころは、私も音楽と全く違う職種に就職し、
学生の時と同じようにレッスンには通っていましたが、
学生の時のように練習する時間もなく、
はっきり言って手はなまっていました。

そんな私に師匠は、体の使い方、筋肉の使い方を
改めて細かく教えてくれました。
学生の頃、ずっと弾き続けてきた勢いだけでできていた動きも、
どうやって動かしているのか、何が足りなくて動かないのか、
理論立てて教えてくれました。

その試行錯誤が、とても大人の方のレッスンにはあっていました。

友人たちは結婚、出産を迎えるまで通ってきてくれました。
(そして、今は娘ちゃんが通ってきてくれています)

二人のレッスンは私にとって実験の場でもありました。

手探りで行っていたレッスンの中で、
一番悩んだのは多分最初の教本の選択だったと思います。

まだその頃はあまり大人向けの教本は充実していなくて
子どもたちの使う教本の中から合いそうなものを使っていました。

そして、その後「50の手習い」といって、やはり全くの初心者で
現在、最長在籍期間を誇る60代の方が入会されました。

その時には、大人の為の教材もいくつかあって、
その中からいくつかを選び、習熟度に合わせて変えながら今に至ります。

そして巷でもシニアや大人のピアノレッスンはとても盛んになってきた昨今は、
ピアノを弾いてみたいんです!と最近入会してくださる初心者の方のレッスンでは
数ある大人向けの教材の中から、私イチ押しの
ピアノアドベンチャーシリーズの「ADULT PIANO」シリーズが大活躍しています。


ピアノアドベンチャーの理念はもちろん、
子どもたちとも楽しんでいる音楽の様々な要素が、
大人のテキストでも始めの方からがっつり入っています!!

大人の方は、皆さんとても熱心です。
好きな曲を弾きたい!
ピアノの音色に癒されたい!

目的がはっきりされている分、忙しい生活の中でも
練習を頑張ってきてくれています。

昨年の夏に入会されたSさんも、とっても熱心です。

大人の方のレッスンでよいことは、
ここが難しかった!ここはどうやって弾いたらいいのかわからない。
など、お家での練習での困りごとやレッスンの最中での疑問も
すぐに質問してくださることです。

弾いてみて、ここが困っているんだろうな、とか
身体の使い方や聴けばわかることももちろんありますが、
言葉にして具体的にどう困っているのかを言ってくださると、
それに対する解決方もより具体的になります。

そして、ソルフェージュ的な事や、音楽のいろんな決まり、
音楽史など、

つい音楽をずっと学んでいるものには当たり前のことも、

どうして?
どういうこと?

と素直に聞いてくださると、

確かに!!

と、改めて説明させて頂いたり、実は私もシッカリわかってなかった!!
うまく説明できない!

という事もあったりして、毎回のレッスンが私の勉強にもなっています。
そして、テキストが英語版なので、翻訳したものを、
再度内容を確認していると、どう伝えるのが一番わかりやすいのか。

様々なことを考えさせられ、教材研究もとてもはかどります。

一緒に音楽の学びを楽しみ、掘り下げることのできる素敵な時間、
それが大人のレッスンのいい所です。

テキストもどんどん進んで、そろそろ好きな曲にもチャレンジしてみる?
とお話をしていた4月頭。
すぐに初心者向けの楽譜を自分で探してきてくださいました。

初心者向けと書いてあるけど、見た感じは今やっている楽譜よりも
明らかに細かくて難しそう、と心配そうでした。

そのままの楽譜で弾けることはベストではありますが、
絶対ではないと思っています。
(特にポップスなどのクラッシック以外の曲は)

左手の伴奏が難しければ、易しく直すこともできるので、
あまり気にせずまずは、メロディを弾いていきましょう!
と指番号の確認から始めました。

そして、どんな感じになるのか、講師によるお手本演奏を聴いてもらってその日は終了。

翌週

「練習してきました~!」

さっそく聴かせていただきました。

彼女の心の中にあるこの曲を大切に、ゆっくり、丁寧に弾いてくださいました。

初めての曲、途中止まったり弾き間違いがあっても、
ちゃんと歌が聴こえてきます。

お家で何度も練習してくださったのがありありとわかる演奏でした。

たくさん練習できましたね!!

「この楽譜をそのまま弾いた動画もYOUTUBEにあって、
いくつか聴いて見ました。指の動きとかも見て」

おお~!さすが練習熱心です。

「でも、この前先生がここで弾いてくれたのが一番感動しました。
 やっぱり生のピアノの音に勝るものはないですね」

ものすごく、ものすごーく嬉しい言葉でした。

その時、その瞬間に出された音に勝るものはない。
だからこそ、みんなピアノを弾くんですよね。
その瞬間の感動はその時にしか味わえません。

彼女のお家のピアノも今は大事な大事な相棒だそうです。

日々の練習も、ただ指を動かすだけの訓練ではありません。
練習でさえも、自分でいいなぁ~と思いながら弾くことができれば、
そんな素敵なことはありません。

60代の生徒さんも、いつも言います。

「全然思うように弾けないし、うまく出来ないことの方が多いけれど、

でも弾いている時が一番楽しいのよ~~。
息子に何の曲かさっぱりわからない~って言われようが、なんだろうが
私が楽しいからいいの!」

いつも前向きな言葉に私も励まされます。

そして、そんなことをいう息子さんも、
日々の練習の成果をちゃんと聴いていて、

お、なんだか何の曲かわかってきた!
とコメントが来たり、
お孫ちゃんもみんなで大合唱したり、、と

楽しいピアノライフを送っていらっしゃるようです。

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